車を選ぶときに注意したい点(故障・エンジン)

エンジンのチェック エンジン

中古車を選ぶ時、まずは”見た目”すなわち外観からチェックされる方がほとんどだと思います。
ぐるりと車を一周し、スタイルや色が気に入れば、もう少し細かくチェックし、キズやへこみが無いかなどを見るでしょう。
一通り見たら、今度はドアを開け、運転席に座ってみることと思います。一緒に車を見に行った人は、助手席や後部座席に座ったり、荷室の広さを確認したりすることでしょう。

言うまでもありませんが、車は走らなければ意味がありません。
車を走らせる原動力は、「エンジン」です。
車を買ったものの、「エンジン」の調子が悪く、思ったように走らないとか、変な音や振動のせいで運転が楽しくないとか、購入後の不満やトラブルが多いのも「エンジン」です。

しかし、中古車探しをされている方で専門知識をお持ちの方は、ごく少数だと思います。
そこで、「エンジン」の調子や、今までの整備履歴などがわかるポイントを解説していこうと思います。
きっと、中古車選びのお役に立てると思います。

まずはボンネットを開けてみましょう

エンジンルーム全体と主要な部品を細かく見てゆくために、まずはボンネットを開けてみましょう。

エンジンルーム全体を眺めてみる

車のボディやアルミホイールなど、外装を洗車する方は多いですが、エンジンルームまでキレイにされている方はごく少数です。几帳面な前オーナーさんでしたら、車庫保管かつ、手が届くところは拭き掃除をしていたなど、ピカピカのエンジンルームの車も存在します。
そのような車を見つけられたら、ある意味 ”当たり” かもしれません。しかし、ほとんどの車は、それなりに汚れています。
ただの汚れなのか、あるいはメンテナンス不足や、故障の前兆なのか、見分けるポイントを解説します。

ヘッドカバーからのオイルにじみ

引用:http://www.dent-smile.jp/

エンジンのつなぎ目が真っ黒に汚れている。最悪、エンジンオイルのにじみや漏れが見られる。
原因としては、エンジンブロックのつなぎ目にある「ガスケット」といわれるゴム部品の劣化が考えられます。
古い車や、長距離走っている車によく見られます。
ゴム部品なので、ある意味、経年劣化はしょうがありませんが、放っておくとエンジンオイルの量が減り、最悪エンジンの焼付を起こし、エンジン自体をダメにする可能性もありますので、要注意です。

ラジエーター上部、リザーブタンク周辺の冷却水漏れ跡

引用:https://www.goo-net.com/

冷却水の色は、メーカーにより、緑色と赤色の2種類があります。
冷却水が液体の状態で漏れが確認できる状態は論外ですが、よく見られるのが、結晶化して粉を吹いた状態になっているものです。
冷却水が漏れのため減ってくると、いわゆるオーバーヒートになる可能性が高くなります。オーバーヒートを起こすとエンジン本体がダメになるので、要注意です。

エンジンルーム全体に水が飛び散ったような跡がある

引用:https://cargeek.jp/

エンジンルームの広範囲にわたり(特にラジエーター周辺)水が散った後、ホコリや油分ぽい汚れがついているような跡が見られる車があります。
これは、前述したオーバーヒートを起こし、冷却水が噴出した車です。
オーバーヒートを起こしたエンジンは、程度の多少はありますが、エンジンブロックなどに歪みを生じています。この歪みにより、オイル漏れを起こしたり、エア漏れなどによるエンジン不調などの症状が出てきます。
このようにエンジンルーム内に水が吹いた跡のある車は、残念ながら、購入候補から外したほうがいいと思います。

エンジンルーム内のボルトやパネルのサビ

エンジンそのものの不具合とは少し離れますが、エンジンルーム内のサビがひどい車もできれば避けたほうがいいかもしれません。
海沿いの塩害、雪国の融雪剤、まれに火山灰による腐食などが原因と考えられます。
これらのサビは、思った以上に車の隅々まで影響が広がっていますので、要注意です。

細かくポイントをチェックしてみる

まずはエンジンルーム全体を眺めた後、もう少し細かい部分をチェックしていきましょう。
この車のエンジンの調子や、今までのメンテナンスの履歴などがわかるかもしれません。
エンジンや付帯装置を触ったり、覗き込んだりするので、一応販売員の方に了解を得てから行いましょう。

オイルフィラーキャップ

引用:http://rotty.sakura.ne.jp/

エンジンのヘッドカバー上部についているオイルフィラーキャップ(オイル交換する時にこのキャップを外してオイルを注入する)を外します。
キャップの内側(ネジになっている部分)やキャップを外した部分からエンジン内部を覗き込みます。
透明感のあるエンジンオイルが見えていたら、その車のオイル管理は良好といえます。
きっと、定期的にオイル交換を行い、しっかり管理されていた証拠です。
逆に、キャップのネジ部に真っ黒いベトベトしたものが付着していたり、覗き込んだエンジン内部が黒く焼け付いたような跡が見られたら、要注意です。
これは、あまりオイル交換がされていなかった車です。エンジン内部の黒い焼付きは、エンジン本来のパワーや燃費性能を発揮できない可能性もありますので、おすすめしません。

オイルレベルゲージ

エンジンオイルの量を確認するゲージです。
このゲージを抜いて確認するだけでも、オイル量やオイルの焼き付きを見ることができます。
エンジンオイルの量が少なく、ゲージレベルにつかない状態や、オイルゲージにも焼けたような黒い跡が見られるような車は、やはり、おすすめできません。

ラジエーターキャップ

まず、このキャップを外すときは、絶対にエンジンが冷えているかを確認してください。エンジンが温まっている状態でこのキャップを外すと、熱くなった冷却水が吹き出し、やけどなど大けがに繋がりますので、くれぐれもご注意ください。
このキャップの内側やラジエーターの内部がサビ水のような茶色く濁っていないかをチェックします。
冷却水も交換せず、長期間使っていると、ラジエーター内部にサビが発生することがあります。このサビが進行すると、ラジエーター本体に穴が開き冷却水漏れを起こしたり、サーモスタットと呼ばれる冷却水の温度調整に必要な部品にはさまりオーバーヒートを起こす原因となります。

バッテリー本体ならびに端子

エンジン周辺の部品で割とメジャーな消耗部品です。
今までのオーナーさんの車の使用頻度や、使用状況(市街地の渋滞ノロノロ運転が多いとか、長距離、高速走行が多い)などにもよりますが、一般的に4〜5年が交換時期ともいえますので、販売店の方に納車前に交換してもらえるか聞いてみるというのも一つの作戦だと思います。
見た目の注意事項を挙げておきます。
最近のバッテリーは「メンテナンスフリー」のものも増えてきており、バッテリー液の量を気にすることも減ってきました。
逆に密閉型の弊害として、バッテリー本体が膨らんできたり、変形しているものもあります。こういったバッテリーは、要交換です。
もう一つの交換時期を見極める方法は、バッテリー本体の継ぎ目や端子部に結晶化した粉吹きが見られないかということです。長年使用することで、バッテリー液が気化し結晶化していきます。
エンジン本体の調子がいくら良くても、バッテリーがダメだったらエンジン始動ができませんので、合わせてチェックしておきましょう。

エンジンをかけてみましょう

一通り展示している状態で車のエンジンルームをチェックした後は、販売店の方にお願いして、実際にエンジンをかけてもらいましょう。
目で見るだけではわからなかったことが、音を聞いたり、臭いを嗅いだりすることで、さらにいろんなことがわかると思います。
それではチェックするポイントを挙げていきましょう。

【音を聞いてみる】

エンジンのかかる音

いわゆる「キュルキュルキュル ブルン」です。
元気よくセルモーターが回り、エンジンが始動するかです。
「キュルキュルキュル」ではなく「ウィンウィン」と重たそうな音がしたり、「カチカチカチ」というだけでエンジンが始動しない場合は、バッテリーが弱っています。
ぜひ、バッテリーを交換してもらいましょう。

エンジンの異音

聞き慣れないとなかなかどんな音が異常なのかを見極めるのは難しいかもしれません。
しかし、明らかに異常と思われる音を紹介します。

「ガラガラ」「ガチャガチャ」「キーン」といった金属音
エンジン内部からの音や、プーリー、ファンなどの回転部から発生する音です。
エンジンオイルを長期間交換しなかった場合や、オーバーヒート歴のある車、また、回転部のベアリング摩耗など、修理するためにはかなりの費用を要する状態の可能性が高い車です。
程度にもよりますが、あまりにもひどい状態のものは、やめたほうがいいと思います。

「キュルキュル」といったゴムが擦れるような音
エアコンのコンプレッサーや、パワステのポンプなどを動かすためのベルトが擦れてなっている音がほとんどです。
この場合、ベルトの交換を行えば、音は消えることがほとんどなので、納車前の整備時に交換を依頼しましょう。

「ガタガタガタガタ」といった振動を伴う音
ディーゼルエンジンの場合、ただでさえ振動が大きいエンジンですので、見極めは難しいのですが、特にエンジン始動直後や、エンジン停止直後の振動が大きい場合は、最悪、燃料を噴射するポンプが悪くなっていることも考えられます。この噴射ポンプの修理費用は数十万円かかる場合もありますので、要注意です。

古い車や、長距離使用された車に多い現象ですが、エンジン本体やオートマミッションがブルブル振動し、異音を発生させている場合があります。これは、エンジンやミッションを支えているゴム製の部品がヘタった為、振動が大きくなったり、金属同士が接触している状態です。ゴムの部品自体はそんなに高いものではありませんが、交換するのにエンジンやミッションを降ろす必要があり、工賃が高額になります。販売店の方とよく相談してみてください。

【ニオイをかいでみる】

ゴムの焼けたようなニオイ

極端にベルトが滑っていれば、前述の「キュルキュル」音とあわせて焼けたニオイがする場合もあります。
要注意なのは、事故をした影響で、エンジンに付帯しているプーリーの芯がずれ、ベルトがすれてニオイがする場合があります。
このような車は、敬遠しましょう。

なんとなく甘いニオイ

冷却水が漏れていると、甘いニオイがします。
漏れている場所が見える範囲になくても、ホースの継ぎ手やエンジンルームの下の方で漏れている場合がありますので、要注意です。

【排気ガスをチェックする】

エンジンをかけたら、忘れずにマフラーから出てくる排気ガスをチェックしましょう。
エンジンの調子が良ければ、基本的には排気ガスは無色です。
冬の寒い時期は、水蒸気で白く見える場合もありますが、透明感のある白さです。

一方、目がチカチカするような刺激を伴った白煙や、黒煙がマフラーから出ていたら、要注意です。
エンジン内部で、本来漏れてはいけないエンジンオイルや冷却水が燃料とともに燃焼している可能性があります。
こういった車を修理するのもかなり費用がかかりますので、おすすめしません。

ぜひ試乗をしましょう

遠慮したり、怖がったりして試乗を拒む方も多いですが、特に中古車を検討するときは、一度実際に運転されてみることをおすすめします。
購入後、初めて運転してみて、「こんなはずじゃなかった・・・」と思っても後の祭りです。
安い買い物ではないので、後悔の無いよう、しっかりチェックしましょう。

特にエンジンに関して、試乗でチェックすべき点をお伝えします。

まずはやはり、音や振動です。
止まっている車で確認した音や振動と違い、加速時や、坂を登る時、カーブを曲がるときや、ブレーキを踏んだ時など運転してみて初めてわかることもあります。
加速時や坂を登るときといえば、エンジンの「吹き上がり」も気にしてみてください。
アクセルの踏み込み量に合わせ、スムーズにエンジンが回りスピードが上がっていけばOKです。
加速時に、エンジンが息継ぎをするようにキレイに吹き上がらないとか、ガタガタ振動するようでしたら、電気系統や燃料系統の不具合も考えられます。

こういった現象は、実際に運転してみないとわからないので、試乗をおすすめする理由がここにあります。

整備記録簿を確認しましょう

最後に、車を離れての確認です。
販売店の方に、検討している車の整備記録簿を見せてもらいましょう。

なかには、記録簿がまったくない車もあります。
最低でも、車検ごとの記録簿、こまめに点検を行っていた車だと、1年点検、6ヶ月点検まで揃っている車もあります。
まずは、記録簿の枚数が多い(点検、整備の周期が短い)車ほど程度はいい傾向があります。

記録簿を順番に見ていくと、オイル類やベルト類などの消耗品の交換履歴がわかる他、リコールや修理の履歴がわかります。
そこから、現在の車の状態・程度や、これから乗っていく上で予想されるメンテナンス箇所や費用などがわかってきます。

まとめ

中古車選びの大きなキモの一つ、「エンジン」の見極めについて、解説してきました。
中古車購入後の不満や、トラブルが多いのも「エンジン」です。
車を選ぶ際、ぜひじっくりと時間をかけてあらゆる方向から「エンジン」を観察してみてください。

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「エンジン」の調子がいいクルマに当たると、カーライフはきっと楽しいものになります。
お気に入りの一台を見つけてください。

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