車の購入をするにあたっての資金をどうするか。
現金一括払いをするか、ローンを組むかの2択が一般的だと思います。
現金で購入しよう!と決断をしても、車を選んでいるとグレードを1ランク上げたい、ハイブリッドのモデルにしたい、他にもあれやこれやとオプションパーツをつけたい!
と考えているうちに見積金額が多くなり、貯金だけでは予算が足りないなんてこともあると思います。
そんな時も予算の範囲内に収めるように諦めるのではなく、不足分だけローンを組んで支払うという方法もあります。
ローンを組んだことのない人にとっては「ローンって何となく難しそう」と思われるかもしれませんが、全く難しい手続きではありません。
最後まで是非読んでみてください。
車を買うためのローンの種類
まず初めに、車を購入するために借りることのできるローンについて主な2つを紹介します。
銀行マイカーローン
銀行・信用金庫・JA・労働金庫等から借りるローンが銀行マイカーローンと言われるものになります。
ほとんどの銀行が自動車購入のためのローンは「〇〇銀行マイカーローン」という名前となっています。
この銀行マイカーローンについて、借りる工程等については後述しますが、まずは、下記の記事に、銀行ローンの審査の基準や難しさについて書いてますので、自分に合っているのは銀行ローンなのかをまずはチェックしてください。
オートローン
自動車販売店で契約するローンのことです。
「ディーラーがお金を貸してくれるのでしょ?」と思っている方もいるかもしれませんが、違います。
オートローンとは、ディーラーが提携している信託会社やカード会社等とローン契約を結ぶ商品です。
その為、車はローンを払い終えるまで信託会社に所有権があります。
一般的には銀行マイカーローンより金利が高く設定されています。
今回は銀行マイカーローンについて、契約の手順を説明しますので、その他のローンについても詳しく知りたい方は、下記の記事を読んでみてください。
自動車ローンの3つを比較!!それぞれの選び方のポイントも解説
ローン申し込み前の事前準備
ローンを契約する上で、いろいろときめなければならない事項がありますので、それについて説明していきます。
購入する車を決める
仮審査の段階で、どの車(車種)をどのくらいの金額で購入するかは決め決めておく必要があります。
- 個人から買うのか
- ディーラーから買うのか
- 中古車販売店から買うのか
これも重要となってきますが、個人から車を購入する際は、銀行ローンは原則使うことができません。
個人から購入する場合は、基本的にはどこでもローンを組むことはできませんが、1つだけ方法があります。
自動車ディーラーや中古車販売店での購入には、銀行マイカーローンは使えますが、銀行マイカーローンの審査はとてもシビアです。
なぜシビア(厳しい)のか?を詳しく知りたい方は、下記記事を読んでみてください。
借入金額を決める
自分の財布事情と相談して、いくら銀行から借りるかを決めましょう。
頭金を入れるか、それとも全額を借りるか。
全額ローンを借りることを俗に「フルローン」とも言います。
昔はフルローンでの購入を取り扱わない銀行もありましたが、最近はどこの銀行も全額ローンでの購入申込が可能です。
貯金を崩したくない、貯金が全くない、そんな方でもローンを組んで車を購入することは可能なのです。
借入期間と返済額を決める
いくら借りるかを決めたら、次は借入期間を決めます。
借入期間が長いほど、月々の返済額は安くなりますが、トータルで払う利息は多くなります。
例えばマイカーローンの金利が2%の銀行で200万円借りるとします。
借入期間が3年の場合、月々の返済額は57,285円。
借入期間が5年の場合、月々の返済額は35,055円。
これだけを見ると、月々の返済額が安く済むので5年で借りられるなら借りた方がお財布には優しい気がします。
しかし、支払総額を見てください。
借入期間が3年の場合、支払総額は2,062,260円。
借入期間が5年の場合、支払総額は2,103,300円。
その差は41,040円となります。
5年間で借りた方が4万円多く利息を払うことになるのです。
金利2%の場合の例ですので、これが3%4%と金利が高くなればなるほどその差は大きくなります。
返済可能額から考える方法もあります。
何年間で返済するかではなく、毎月ローンの返済にいくら払うことができるかという考え方です。
先ほどの200万円借りる例でいくと「毎月35,000円なら払っていけるから、5年間で借りよう」と決める方法です。
若い人や欲しい車がはっきりと決まっている人に多い決め方です。
借入期間を決めるときの注意点
借入期間を決める際に必ず念頭に置いておいてほしいことがあります。
それは「いつまでこの車に乗るのか」です。
ローン返済中に車を手放すことになった時、売却して残りのローンを払おうとしても売ったお金では返済が残債額に足りない場合があります。
走行距離が少ない場合や人気車などの場合は、高額な金額での売却が見込める場合がありますが、残債額に足らない場合、売却代金にプラスアルファで差額を補填して返済を行わなければなりません。
また、故障により修理をすることができない状態や、事故により廃車になるという状況も起こり得る可能性があります。
転勤や引っ越しにより、車の必要のない状況になる可能性もあります。
低金利の時代ですので、先ほどの例でいえば「2年延ばしてもたったの4万円なら、5年で借りた方が毎月の返済額が軽減できる」と考えることもできますが、いろいろな状況を踏まえて置くことも必要です。
車を購入するということは同時に車を維持していくということになります。
ガソリン代や駐車場代はもちろんのこと、毎年の税金や、2年ごとの車検代についても考慮する必要があります。
計画的に返済できる借入期間を設定する事が、ローンを契約する上で重要なポイントになります。
ボーナス払いについて
返済期間を決める際にボーナス払いを選択することもできます。
ボーナス払いとは、夏季・冬季の予め設定した月に、通常の返済額に加えてボーナス払いとして返済額を増額する方法です。
多くの場合、借入額のうち半額分までをボーナス払い充当分として設定が可能で、例えば100万円の場合、50万円までボーナス払いとして設定することが出来ると言った具合です。
これは、金融機関により異なる場合もあるので、問い合わせて調べる必要があります。
返済期間を同じとして、ボーナス払い有無を比較した場合、ボーナス払いを併用する事で、結果的に均等払いに比べて毎月の返済額を低く抑える事が出来ます。
ボーナスが確実にもらえる仕事をしている方は検討してみても良いかもしれません。
どこの銀行で借りるかを決める
欲しい車が決まり、借入金額や期間も決まっってきたら、次はどの銀行を利用するか決めましょう。
たくさんの銀行があるので迷ってしまう方もいると思います。
ここでは色々な決め方がある中で4つの方法をお伝えします。
迷っている方は参考にしてみてください。
普段利用している銀行で借りる
普段利用している銀行であれば新たに通帳を作る手間がいりません。
通帳やカードの数を増やしたくないという人にはオススメです。
給与振込口座の銀行で借りる
給与が振り込まれていれば、毎月の返済の為に借りている別の銀行へお金を振り込む作業がいりません。
普段利用している銀行で借りる場合と同じように、通帳を新たに作る必要もありません。
毎月お金を振り替える手間が面倒な人にはオススメです。
来店不要の銀行で借りる
昨今、インターネットで審査から契約まで全てできる銀行が増えてきました。
家にいながら手続きが完了してしまうメリットの他、手数料が安い等のメリットもあります。
時間がない方にはオススメですが、間違いのないように注意しながら手続きをする必要があります。
また、事前手続きが来店不要なだけで契約時は来店しなければならない銀行もありますのでよく調べてから決めましょう。
金利の安い銀行で借りる
金利が1%違うだけで、大きく変わってきます。
金利についてはこの後詳しく説明していきます。
金利と保証料と手数料
ローンを組むうえで、最も皆さんが気になるところでと言えば「金利・保証料・事務手数料」ではないでしょうか。
保証料とは、銀行が提携する保証会社に払う手数料のことです。
保証会社とは借りたお金を万が一返せなくなった時、借りた人の代わりにローンの残額を銀行に払ってくれる会社のことです。
保証料を払いたくないから保証会社をつけないということはできません。
保証料も含めて考えなければ、金利が安くても総支払額が高くなってしまうということもあるのです。
例えば以下のような条件の銀行で100万円のローンを5年(60ヶ月)で組むとします。
- A銀行:金利3%、保証料2%、手数料5,500円
- B銀行:金利4%、保証料2%、手数料無料
- C銀行:金利5%、保証料は金利に含む、手数料3,300円
どの銀行が一番お得でしょうか?
ここで大事なのは金利に保証料を足して計算しなくてはいけないということです。
A銀行なら金利は「金利3%+保証料2%=5%」で計算する必要があります。
そこを踏まえてシミュレーションすると、
- A銀行:月々返済額18,871円×60ヶ月+5,500円で支払総額は1,137,731円
- B銀行:月々返済額19,332円×60ヶ月で支払総額は1,159,939円
- C銀行:月々返済額18,871円×60ヶ月+3,300円で支払総額は1,135,531円
以上のような結果となります。
A銀行とC銀行はどちらも5%の計算になりますので、事務手数料が安いC銀行の方がお得に借りることできます。
B銀行は手数料無料が嬉しいですが、保証料を含めると金利が6%と高くなり支払総額は多くなってしまいました。
このように金利だけを見るのではなく、保証料と事務手数料もチェックしてから決めてください。
銀行でのローン手続きの流れ
ここでは実際に銀行での手続きの流れについて説明します。
借入条件を確認しましょう
銀行によってマイカーローンを借りるための条件があります。
- 年収(昨年度の年収が150万円以上)
- 年齢(20歳以上75歳未満)
- 勤続年数(1年以上)
- 借入期間(6ヶ月から10年以内)
このような条件を設定しているところが多いです。
地方銀行、JA、信金などは管轄エリア内に住んでいることが条件になってくる場合もありますので調べましょう。
WEB事前審査
条件に合えば必ず貸してくれるわけではなく、審査をされます。
ほとんどの銀行がマイカーローンの場合WEB事前審査を取り入れています。
事前審査だからといって適当にやってはいけません。
この審査に通らなけば、この後の本審査にたどりつくことは難しいからです。
かといって年収や他の借入等を誤魔化して大きく見せることはやめましょう。
仮審査について
WEBでの審査ができない場合は、直接銀行へ出向き銀行で仮審査をすることも可能です。
必要書類はこの後説明する「銀行へ持参するもの」と同じです。
本審査の申し込み
WEB事前審査から2~7日程度で銀行から連絡が来ます。
無事審査に通っていたら、次は本審査の申し込みになります。
本審査もインターネットで行える銀行も増えてきましたが、今回は来店の場合で説明します。
本審査の時に銀行へ持参するもの
- 本人確認書類:免許証など
- 収入を確認できる書類:源泉徴収票や課税証明書など
- 使い道を確認するための書類:見積書など
- 通帳(借りる銀行で通帳を持ってない場合、このタイミングで作るのが一般的)
- 印鑑(通帳のお届け印)
- 現金(手数料を現金で支払う場合)
銀行によっては上記以外の書類が必要になる場合もありますので、事前に確認しておきましょう。
契約と振込手続き
本審査も大体仮審査同様2~7日程度で連絡が来ます。
この本審査に通れば次はいよいよ契約です。
通帳と印鑑を持って銀行へ行きましょう。
原則、自分の通帳を経由してから自動車販売店の振込先口座へ直接振り込みが行われます。
早ければ1時間ぐらいで手続きは終わります。
ちょっとケチな話かもしれませんが、振込手数料を自動車屋が負担てしくれるのか、自分で負担しなければならないのかを、購入予定の自動車屋に確認しておきましょう。
振込手数料の負担が必要な場合は、振込に使用予定の口座へ振込手数料分を事前に入金しておきましょう。
これで手続きは完了となります。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます。
銀行ローンの仕組みと流れはわかっていただけたでしょうか。
銀行でローンを組むことは難しいことではありません。
もし迷ったら銀行員に相談したら親身になって教えてくれると思います。
計画的にローンを活用して車を購入してみましょう。
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