車を購入する、もしくは今乗っている車を売却するという場合、最近はオークションサイトやフリマサイトなどで、車を個人売買するケースが増えてきています。
この場合は、名義変更などの手続きを自分たちで行う必要がありますが、この名義変更がしっかり手続きされていないことによるトラブルが多発していて、どうしても個人間での売買手続きには不安が残ります。
そこで今回は、車の個人売買に必要な書類や手続きの流れ、取引を進める上での注意点を解説します。
車の個人売買で必要な書類
車を売買する時には必ず、車検証の所有者を変更する『名義変更』という手続きが必要になります。
この名義変更を行うために必要な書類を、売主、買主それぞれ準備する必要があります。
普通車と軽自動車で用意する書類が異なりますので、それぞれ解説していきます。
売主が準備する書類とかかる費用(普通車)
普通車を売却する場合、売主が準備する書類は下記の7つです。
それぞれ発行には費用がかかりますので、そちらも合わせてご紹介します。
・自動車検査証(車検証)※一時抹消登録をしていてナンバーが無い場合は登録識別情報等通知書を渡します。
・自賠責保険証明書
・自動車税納税証明書
・委任状(実印押印)
・譲渡証明書(実印押印)
・住民票(発行後3ヶ月以内)
・印鑑証明書(発行後3ヶ月以内)
発行費用
・住民票:300円前後
・印鑑証明書:300円前後
自治体によって異なる場合がありますが、おおよそ300円前後で書類を取得することが出来ます。
委任状と譲渡証明書は国土交通省のホームページから書式をダウンロードすることが出来ます。
https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_fr1_000033.html
基本的には手続きを買主に委任することになりますので、それぞれ売主の情報と車両の情報を記入して実印を押印します。
買主が準備する書類(普通車)
普通車を購入する場合、買主が準備する書類は以下の7つです。
・売主が準備した書類一式
・自動車保管場所証明書(車庫証明)
・住民票(発行後3ヶ月以内)
・印鑑証明書(発行後3ヶ月以内)
・手数料納付書
・申請書(第一号様式)
・自動車税・自動車取得税申告書
手数料納付書と申請書(第一号様式)は、あらかじめ記入しておきたいという方は、国土交通省のホームページからダウンロードして印刷することも可能です。
https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk6_000021.html
自動車税・自動車取得税申告書は運輸支局窓口で手に入れることが出来ます。
また、買主は販売店から車を購入する場合と同じように、車庫証明を取得しておく必要があります。
発行費用
・住民票:300円前後
・印鑑証明書:300円前後
・手数料収入印紙:500円
・車庫証明手数料:2500円~2800円 ※自治体により異なる
・ナンバープレート代:1500~9200円 ※自治体、図柄によって異なる
買主側は、住民票と印鑑証明書の他に、車庫証明を取得するための手数料と、運輸支局に収める手数料がかかります。
車庫証明の手数料は自治体によって異なってきますので、登録を行う自治体の手数料をあらかじめ調べておきましょう。
また、県をまたぐ等で管轄が変更になる場合は、ナンバープレートの変更が必要になります。
売主が準備する書類とかかる費用(軽自動車)
軽自動車を売却する場合、普通車より書類や手続きが少なくなります。
売主が準備する書類は下記の4つです。
それぞれ発行には費用がかかりますので、そちらも合わせてご紹介します。
・自動車検査証(車検証)
・自賠責保険証明書
・自動車検査証記入申請書(軽第1号様式)(売主の印鑑押印)
・住民票・印鑑証明書のいずれか1点(発行後3ヶ月以内)
https://www.keikenkyo.or.jp/procedures/procedures_000163.html#42996
自動車検査証記入申請書・申請依頼書・譲渡証明書のいずれも軽自動車検査協会のホームページから書式をダウンロードできます。
印刷して売主の印鑑を押印の上、買主に渡すようにしましょう。
軽自動車の名義変更の場合、基本的に自動車検査証記入申請書と住所を証明できる書類1点があれば手続きが出来ます。
また、軽自動車の場合、印鑑は認印でも問題ありませんので、売主の認印を持参して当日書類作成でも問題ありません。
発行費用
・住民票または印鑑証明書:300円前後
自治体から取得する書類も1点のみなので、普通車より費用が抑えられます。
買主が準備する書類(軽自動車)
軽自動車を購入する場合、買主が準備する書類は以下の5つです。
・売主が準備した書類一式
・住民票または印鑑証明書(発行後3ヶ月以内)
・軽自動車税(種別割)申告書
・軽自動車税(環境性能割)申告書
・印鑑
自治体によって異なるもの
・自動車保管場所証明書(車庫証明)
軽自動車税申告書は、手続き当日に軽自動車検査協会で入手します。
軽自動車の場合、自治体によっては車庫証明が必要ない場合があります。こちらはお住まいの管轄警察署に確認してみてください。
発行費用
・住民票または印鑑証明書:300円前後
・車庫証明手数料:2500円~2800円 ※自治体により異なる
買主側は、住民票または印鑑証明書1通のみ準備することになります。
車庫証明が必要な自治体の場合は、名義変更前に車庫証明を取得する必要があります。
名義変更の手続き方法
専門の販売店経由で売買する時は、基本的に名義変更はお店が手続きを取ってくれることがほとんどです。
車を個人売買する場合は、名義変更手続きを運輸支局自分で申請しに行く必要があります。
一般的には売主から書類一式を受け取り、買主が手続きを行うケースが多いです。
この手続き方法も普通車と軽自動車で異なりますので、こちらも解説します。
普通車の名義変更手続き
普通車は最寄りの運輸支局で手続きを行います。
運輸支局は平日のみの業務になっています。
受付時間も午前9:00~12:00、午後1:00~4:00となっているので、時間に余裕をもって向かうようにしましょう。
1. 申請用紙の入手・作成
・手数料納付書
・申請書(第一号様式)
・自動車税・自動車取得税申告書
これらの書類は運輸支局で当日入手することが出来ます。
不足がある場合やこれから記入する場合は、窓口で書類の配布を受けて、必要事項の記入をします。
記入方法は記入台に見本がありますので、そちらを見ながら記入するようにしましょう。
2. 手数料の納付
運輸支局内の印紙販売窓口で、名義変更に必要な手数料500円分の印紙を購入します。
購入した印紙は、手数料納付書に貼り付けます。
3. 窓口に書類一式を提出
書類一式が完成したら、窓口に書類を提出します。
不備が無ければ新しい車検証が交付されますので、出来上がるまでしばらく待機しましょう。
ただ、運輸支局は販売店や整備工場の方が常に出入りしており、混雑していることがほとんどです。
場合によっては車検証が出来上がるまで1時間近く待つ場合もあります。
月末や3月・9月など、期の切り替わる時期は普段よりさらに混雑しますので、出来れば避けた方が無難です。
車検証の交付
車検証が出来上がったら必ず記載ミスがないか確認を行ってください。
自動車税の申告
車検証上の所有者を変更しただけでは、毎年送られる自動車税の送付先が変更されません。
必ず、場内の自動車税事務所へ行き、自動車税の申告を行ってください。
自動車税・自動車取得税申告書の記入方法は、自動車税事務所の記入台に見本があるので、そちらを参考に記入します。
購入した車が比較的新しい場合、自動車取得税が発生しますので、ここで納税を行います。
購入した車種やグレードによって「課税標準基準額」が決められており、この額に新車からの経過年数によって残価率を掛けて「取得価額」を算出します。
この「取得価額」の3%を自動車取得税として納税します。
課税標準基準額は新車時の希望小売価格の90%が目安とされています。
経過年数によって変わる残価率の一覧表は以下の通りです。
経過年数 | 1年 | 1.5年 | 2年 | 2.5年 | 3年 | 3.5年 |
残価率 | 0.681 | 0.561 | 0.464 | 0.382 | 0.316 | 0.261 |
経過年数 | 4年 | 4.5年 | 5年 | 5.5年 | 6年 | |
残価率 | 0.215 | 0.177 | 0.146 | 0.121 | 0.100 |
自動車取得税計算例
新車価格300万円の車を4年落ちで購入した場合
・想定課税標準基準額:300万円×90%=270万円
・取得価額:270万円×0.215=580,500円
・自動車取得税:580,500×3%=17,415円
尚、計算の結果、取得価額が50万円未満になる場合は、自動車取得税は免税となります。
ナンバープレートの返却・交付
管轄変更でナンバープレートを変更する場合、運輸支局内の返納窓口に旧ナンバープレートを返却します。
ナンバープレートを外す為のドライバーや、封印の外し方については返納窓口に準備してありますので確認するようにしましょう。
返却が終わったら、ナンバー交付窓口で新しいナンバープレートを購入します。
取り付け用のビスももらえますので、購入した車の前後に取り付けてください。
ナンバープレートの封印
最後に、リヤのナンバープレートに封印を行ってもらいます。
封印取り付け所へ移動し、車検証の内容が自動車と同一であることが確認されると、リヤナンバーに封印が施されます。
以上で晴れて名義変更が完了となります。
軽自動車の名義変更手続き
軽自動車の名義変更手続きは、運輸支局ではなく軽自動車検査協会で行います。
よく、間違えて運輸支局に行ってしまう方がいますので注意しましょう。
軽自動車の場合はナンバープレートの封印が無い為、現車を持ち込む必要はありません。
管轄の変更でナンバープレートが変更になる場合は外して持参します。
もちろん、そのまま現車を持って行っても問題ありません。
1. 申請用紙の入手・作成
・自動車検査証記入申請書(軽第1号様式)
・軽自動車税申告書
上記2点を軽自動車検査協会で配布を受け、必要事項を記入していきます。
記入方法は記入台に見本があるので、それを見ながら記入していきましょう。
2. ナンバープレートの返納
管轄変更でナンバープレートが変わる場合は、旧ナンバープレートを返納します。
ナンバープレートを返納し、申請書に返却印を押してもらいましょう。
3. 窓口に書類一式を提出
軽自動車の場合は、名義変更手数料は無料です。
出来上がった書類一式を窓口に提出しましょう。
車検証の交付
車検証が出来上がったら必ず記載ミスがないか確認を行ってください。
軽自動車税・自動車取得税の申告
新しい車検証を受け取ったら、検査協会内にある地方税申告窓口に、車検証と軽自動車税申告書を提出します。
また、自動車取得税については別の窓口になっている場合があります。
案内に沿って進んで行けるようになっているはずですので、忘れずに手続きをしましょう。
軽自動車の場合も、普通車と同様に「取得価額」と「残価率」によって自動車取得税が計算されます。
経過年数によって変わる残価率の一覧表は以下の通りです。
経過年数 | 1年 | 1.5年 | 2年 | 2.5年 | 3年 | 3.5年 |
残価率 | 0.562 | 0.422 | 0.316 | 0.237 | 0.177 | 0.133 |
経過年数 | 4年 | |||||
残価率 | 0.100 |
ナンバープレートの交付
ナンバープレートが変更になる場合は、ここでナンバー交付窓口に行き、新しいナンバープレートを購入します。
費用は前後2枚で1800円です。
以上で軽自動車の名義変更は完了です。
個人売買でよくあるトラブル・対策方法
車の個人売買をする上でよくあるトラブルとして、この名義変更に関するものがあります。
名義変更をしないことで、発生するトラブルは主に売主側が被害を被ることになります。
車を引き渡した後、買主が一向に名義変更を行ってくれない
今までご紹介したように、手続きはそれなりに手間がかかります。
しかし、車検が残っていてナンバープレートがついてさえすれば、公道は走れてしまうので、名義変更を放置されてしまう場合があります。
この場合の想定されるトラブルをご紹介します。
自動車税納付書が前所有者(売主)に届く
自動車税納付書は毎年4月1日時点での車の所有者に対して課税されます。
車を売却して現車が手元にない場合でも、車検証上の所有者が変更されていない場合は、前所有者に納税義務が発生してしまいます。
事故を起こした際、前所有者が責任を問われる
売却した車で買主が事故を起こした場合、名義変更がされていないと責任が前所有者(売主)にかかってくる場合があります。
交通違反や交通事故を起こした場合、原則として運転者がその場で罰則を受けますが、買主がその場から逃げてしまい、後日車両を割り当てられた場合、車検証上の所有者である売主が責任を負う事があります。
軽い違反などであればまだ良いのですが、ひき逃げや死亡事故など重大な事故であった場合、車両の管理責任を問われて賠償請求されるケースもあります。
買主が犯罪を起こした場合、前所有者が責任を問われる
このパターンが一番深刻で、名義変更が完了していない車が何らかの犯罪に悪用されてしまった場合は、車検証上の持ち主である前所有者が犯罪の共犯者とみなされて、逮捕されてしまう場合があります。
このように車の個人売買で名義変更がされていないことによるトラブルは、笑い事では済まないことがあります。
また、最終的には買主に手続きを委ねる必要があるので、しっかり手続きが完了しているか見届けることが出来ない場合がほとんどです。
買主に渡す書類にも、住所等個人情報が詳細に書かれた書類を渡すので、個人情報漏洩のリスクもあります。
予期せぬ車の故障
購入の際、現車確認をしたといっても、実際に分解して隅々まで状態を確認することはできません。
売主がしっかり状態を確認していたとしても、あくまで素人点検になるので購入後にすぐに故障してしまうといったことがあります。
販売店経由であれば、中古車保証が付きますので、購入後すぐに故障した場合は無償修理してもらえますが、個人売買の場合はそうはいかず買主が自腹で修理することになる場合がほとんどです。
まとめ
いかがでしたしょうか。
車をお得に売買できる個人売買ですが、必要な手続きには手間がかかり、様々なリスクが存在することはお判りいただけたかと思います。
通常、個人売買では売主・買主の自己責任となってしまいますが、個人売買向けオートローンの「ユーカーネクスト」を利用することで、名義変更や送金手続きも完全にサポートしてもらえますし、個人売買の車両でも「最長10年の中古車保証」を付けることができます。
「思いのほか高額になってしまい手元資金がない、でも個人売買だから銀行からは借りられない」と言った時でも、ユーカーネクストならネットから簡単に申込みすることが出来ます。
車の個人売買を検討している方は、合わせてユーカーネクストの利用も検討してみてはいかがでしょうか。
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