新車や中古車の購入で「現金一括払いにすると販売店やディーラーから嫌がられる」という噂を聞いたことはありませんか?
ネット上を拝見していると、いろんな説があるため、何が正しいのか迷ってしまいますよね。
現金一括払いができる方であれば、ローンを組んだら金利分を損してしまうため、わざわざローンを組む意味がないと思う方も多いはず。
そこでこの記事では、現金一括払いが嫌がられる理由から購入者の一括払いのメリット、購入者のローンのメリットまで詳しく解説します。
現金一括払いが嫌がられる3つの理由
一括払いで代金を全て支払えば、全額の代金を受け取れるので販売店にとってはメリットが大きいと考えるのが一般的ですが、販売店にとっては「ローンを組んでもうと利益率が高くなる」というカラクリがあります。
車のオートローンは、基本的にローン会社が請け負い、販売店は代金をローン会社から受け取れます。そこでローンを組むと、ローン会社から紹介料が受け取れるからです。
現金一括払いが嫌がられる理由は他にもあり、主に以下の3つが挙げられます。
- ローン会社からのキックバック(中間マージン)が無くなる
- ローン契約件数のノルマが達成できない
- ローンの方が値引きしやすいため契約が決まりやすい
ただし、現金一括払いを拒否する販売店はほとんどないので、参考程度にしてください。
購入者の一括払いのメリット
車を一括払いで購入すると、ローンとは違い無駄な金利の支払いが不要です。
購入者の現金一括払いの最大のメリットは、ローンで利益を取ろうとしている販売店にとっては、車両に含む利益が少なくローン収益が全く取れない販売となるので、購入者はお得になります。
ローンを組んだ場合は、車の維持費はローン代も含めて上乗せになるので、毎月の支払いが多くなります。そのため、手元に十分な資金(現金)がある方は、月々のランニングコスト削減ができるため、現金一括購入は良い選択方法と言えるのです。
また、現金一括を選択する方が多いというデータもあります。
一般社団法人日本自動車工業会の全国の単身世帯を含む一般世帯を対象とした「2021年度乗用車市場動向調査について」によると、以下のような調査結果を確認できました。
5.保有形態に対する意識
●インフラ整備が進んでいる首都圏中心部に近いほど「カーシェア」の利用意向が高い。「サブスクリプション」利用意向者はまだほとんどいない段階。
「レンタカー」の認知は約8割。「カーシェア」は約4割。
利用経験は「レンタカー」は5割強、「カーシェア」は3%にとどまる。
利用意向は「レンタカー」は5割強、「カーシェア」は2割弱。
購入方法は「現金一括」6割弱、「一般のローン/クレジット」が2割程度。
このデータで注目したいのが「購入方法」の部分。「購入方法は「現金一括」6割弱、「一般のローン/クレジット」が2割程度。」と、ローンやクレジット払いよりも、現金一括を選択する方が多いのが確認できます。
購入者のローンのメリット
購入方法で、現金一括の方が多いというデータはありますが、購入者のローンによるメリットもあります。
大量の現金を一度に出さなくて済む
ローンの場合、現金一括のようにまとまった金額は不要です。
ローンでかかる初期費用はゼロにすることもでき、頭金を支払う場合でも車の本体費用の1割~3割ほどの支払いで済みます。
この自動車ローンで借りるお金には車の本体費用だけでなく、納車前に実施する車検の費用、自賠責保険料なども含められるので、口座に現金を残しながら計画的に支払いを行えます。
一括払いと値段が変わらないケースもある
金融機関や販売店によっては、低金利でローンを利用できるキャンペーンなどがあります。
購入時にタイミングさえ合えば、財布の負担にならない低金利でローンを組めるので、結果、一括払いとあまり値段が変わらずに購入できます。
金融機関や販売店によって、金利や時期も変わるので、情報収集も大切です。
ローンにするデメリットもある
車購入でローンを組むときのデメリットとしては、最終的に支払う金額が一括よりも高くなることです。
ローンの場合、金利が発生しているので、金利の発生しない一括に比べて多くお金を支払わなければなりません。
また、ローンを組むと、毎月車の引き落としがあるため、財布の負担になるケースやローンを完済するまでは自分の所有物にならないといったデメリットがあります。
車のローンは、回収できなかったときのリスクを抑える為に車に所有権を設定することによりリスクを避けます。そのため、支払いが滞ってしまうとローン会社に車を抑えられてしまう場合もあるので注意が必要です。
販売店のローン会社からのキックバック
購入者が提携のローンを組むと、信販会社は顧客を紹介してもらったので、その紹介料のようなものが販売店へ支払われます。これを「キックバック」と呼びます。
このキックバック分は、信販会社が負担せず、キックバック分がローンの支払い金利に上乗せされます。
車の値段が安いお店でローンを組むと、ローンの金利9.8%と高い設定になっている場合があります。これは、9.8%のうち半分の約4.9%は販売会社の利益になっているのです。
ネクステージ、ケイユ―、ビックモーター、ガリバーなどの大手買取販売店の金利は大体9.8%の金利が設定されており、半強制的に120回で購入させられるので、車の値段が安くても、ローンを組むと販売会社が得をする仕組みとなっています。
ローン契約件数のノルマ
販売におけるローン契約は、紹介料や金利差額分などをローン会社から受け取ることができるので、販売店にとっては貴重な収入源なのですが、ローン契約件数ノルマは販売店の方針によります。
販売会社の中には、営業スタッフに自動車ローンの契約件数のノルマを課している場合があるので、あと少しでノルマクリアできそうなときに一括払いをしようとすると、スタッフに嫌がられるケースもあります。
ローンのメリットを話し、ローン払いを勧めることで、自分のノルマを達成しようとする可能性もあります。
まとめ
現金一括払いが嫌がられる理由について紹介しました。
一括払いやローン、どんな形であれ、車を購入して貰えれば、販売額が入るのは間違いありません。感謝の気持ちがあるのも確かです。
そのため、車購入で、「現金一括は嫌がれる…」などと気にせずに、自分の支払いスタイルに合わせて選択すれば問題ありません。
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