新車や中古車を購入したり、車を譲り受けた際には、車の保管場所を確保していることを証明する車庫証明の取得が必要です。
ディーラーや販売店で車を購入した場合は、ユーザーは書類をそろえるだけで、あとは販売店が手続きを行ってくれることがほとんどですが、手続きを代行してもらうには手数料がかかります。
手数料を抑えるために自分で車庫証明を取得したいと考える人も多いでしょう。
また、個人同士やオークションでの売買の場合は、行政書士などに依頼しない限り自分で手続きを行う必要があります。
本記事では、車庫の借り方から車庫証明取得に必要な書類、申請方法まで、これから車庫証明を取得しようとしている人に向けて役立つ情報をお届けします。
事前に準備を行っておけば、スムーズに手続きが進みますので是非参考にしてください。
車を所有するためには車庫証明を取得する必要がある
車を購入したり譲り受けた場合、車を使用するためには、自分の名義で車を登録する必要があります。
登録には、対象の車を保管する駐車場を確保していることを証明する必要があり、これが「車庫証明」です。
正式には「自動車保管場所証明書」という名称で、取得には警察への届け出が必要となります。
車庫証明の取得には、車庫として認められる条件を満たした駐車場の確保、専用用紙へ駐車スペース、車両サイズ の記入など細かいルールが定められており、申請から取得までに時間がかかるため、登録手続きを行う前に準備をしておく必要があります。
車庫の用意の仕方
車庫証明を取得するためには、車を保管できる駐車場をあらかじめ確保しておかなければいけません。
車庫の確保の仕方としては、大きく分けて次の3つがあります。
まずは、ご自身の状況に合わせて、駐車場を用意してください。
自宅の駐車場を車庫とする
自宅に対象の車を駐車することができるスペースが空いていれば、空きスペースを車庫として申請することができます。
ただし、他の車両ですでに申請がされていたり、駐車した際に道路に車両がはみ出してしまう場合には、保管場所として認められません。
申請前にご家族や同居人がすでに車庫として申請していないか、所有する車がしっかりと収まる大きさがあるかなどを確認するようにしてください。
月極め駐車場を借りて車庫とする
自宅に駐車スペースがない場合、一般的なのがこの「月極駐車場を借りる」という方法です。
インターネットで「〇〇(地域名)月極駐車場」と検索すれば、現状で空きがある駐車場や、場所、料金を簡単に知ることができます。
また駐車場に管理会社の連絡先が記載されている看板を目にしたことがある人も多いでしょう。
この連絡先から直接車庫を借りることも可能です。
ただし、月極駐車場には、「平面駐車場」「機械式駐車場」「屋根付き駐車場」など複数の種類があり、車高や幅の制限がある駐車場も多いです。
そのため契約前に必ず所有する車が入るかどうかを確認する必要があります。
また、人気の地域の場合には、空きスペースがなく駐車場が借りられないケースも多いので、車の所有を決めたら早めに探すことがおすすめです。
家族や知人の土地を借りて車庫とする
自分が所有する土地でなくても、車の保管場所として申請することは可能です。
後ほど詳しく説明しますが、自分以外の人が所有する土地を車庫として申請する場合には、土地の持ち主の承諾書が必要となりますので勝手に登録することはできません。
あらかじめ駐車場として登録する許可を得ておきましょう。
また、自宅の駐車場を車庫とする場合と同じく、他の車両の保管場所として登録されていないか、車両が収まるスペースがあるかなど、車庫として認められることをあらかじめ確認しておく必要があります。
車庫を用意する際の注意事項
車庫証明の取得には、次の要件を満たした駐車スペースを確保する必要があります。
”
駐車場、車庫、空き地等道路以外の場所であること。
使用の本拠の位置から2キロメートルを超えないこと。
自動車が通行できる道路から、支障なく出入させ、かつ、自動車の全体を収容できること。
保管場所として使用できる権原を有していること。”
引用:視庁(https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/tetsuzuki/kotsu/hokan/syako_syousai/youken.html)
ここからは、これらの要件についてわかりやすく解説します。
道路は車庫として申請できない
当たり前と感じる人も多いかもしれませんが、道路は車庫として申請することができません。
たとえ、申請する土地が私有地だったとしても、不特定多数が道路として使用している場所であれば、道路とみなされ車庫として認められないケースがあります。
そのため車の保管場所として申請するのは、「一般的な道として使用されていない場所」でなければいけません。
車庫証明で提出できるのは自宅から2km以内
車庫として申請できるのは、「使用の本拠の位置から2㎞以内」という距離の制限もあります。
使用の本拠の位置とは、車を使用する人が拠点とする場所を指します。
個人で車庫証明を取得する場合は、一般的に自宅の住所が本拠の位置となり、車庫証明の取得には使用の本拠の位置が分かる住民票などの書類が必要です。
車が収まり、出入りが安全にできるだけのスペースが必要
車庫証明を取得する際には、駐車スペースのサイズ、駐車対象となる車のサイズ、出入りする道路の道幅などを専用用紙に記入し、申請する必要があります。
たとえ車が完全に収まるスペースがあったとしても、道路に面した出入口が狭いなどの理由で、駐車に支障が出ると判断された場合には、保管場所として認められないケースも。
そのため車がしっかりと収まるかだけでなく、問題なく駐車ができる道幅があるかも確認しておく必要があります。
車庫証明手続きが必要なタイミング
車庫証明の取得が必要なタイミングは、車を購入した時だけではありません。
次に当てはまる場合は早めに手続きを済ませるようにしてください。
・新車を購入するとき
・引っ越しで住所が変更となったとき
・所有者が変更になったとき
車を購入する場合は、車庫証明を取得しなければ登録を行うことができませんが、引っ越しや所有者の変更の場合は、「お金がかかるから」「面倒だから」と手続きを先延ばしにする人も多いようです。
しかし、車庫証明をそのままにしていると、罰則を受ける可能性がありますので、車庫証明が必要なタイミングには早めに手続きを行うようにしてください。
車庫証明取得に必要な書類
車庫証明の取得には次の書類が必要となります。
・自動車保管場所証明申請書
・保管場所標章交付申請書
・保管場所の所在図・配置図
・自認書もしくは保管場所使用承諾証明書
自動車保管場所証明申請書 対象となる車の情報や使用者、保管場所を記載する書類です。
申請当日に記入することもできますが、車体番号や車のサイズなどの情報が必要となりますので、事前に警察署にて専用様式を入手し、記入しておくことをおすすめします。
また、インターネットで様式をダウンロードすることも可能です。
警察署で入手できる専用用紙の場合は、複写になっているため、注意して記入してください。
保管場所標章交付申請書
保管場所を示す標章(ステッカー)の申請に必要な書類です。
専用様式を使用する場合は、自動車保管場所証明申請書の2枚目が保管場所標章交付申請書となっているため、別で記入する必要はありません。
保管場所の所在図・配置図
車庫証明の取得には、車の保管場所がどこにあるのか、どのように車を駐車するのかを申請する必要があります。
所在地については、Googleマップなどを印刷し、添付しても、手書きでもOKです。
目印となる駅や建物などを記入し、自宅から駐車場までの距離も記入してください。
配置図は、敷地のどの位置に車を駐車するかを記入します。
安全に車の車庫入れができるか判断するために、出入口の幅、駐車場に面した道路の幅、駐車スペースの幅の記入も必要です。
申請するサイズの車が通行できない場所があると車庫として認められません。
自認書もしくは保管場所使用承諾証明書
「自認書」・「保管場所使用承諾証明書」は、車を駐車する予定の土地を所有する人が、車庫として利用することを認めていることを証明する書類です。
保管場所に指定する土地を誰が所有しているかによって必要書類が異なりますので、どちらを用意する必要があるのか、確認しておいてください。
自分の土地を車庫として申請する場合
自分の土地を保管場所として申請する場合は「自認書」の提出が必要です。
自認書は、車の使用者と土地の所有者が同じ場合にのみ使用する書類で、たとえ家族であったとしても土地の持ち主が異なる場合は、自認書ではなく、土地の所有者が作成した「保管場所使用承諾証明書」が必要となります。
他人名義の土地を車庫として申請する場合
自分以外の人が所有する土地を車の保管場所として申請する場合には、土地の所有者が作成した「保管場所使用承諾証明書」の提出が必要です。
賃貸の場合は、管理会社や大家さんに連絡し、書類の作成を依頼してください。
書類の発行には、数千円の手数料がかかるケースが多く、依頼から発行まで数日~数週間かかることがありますので、早めに用意しておくことをおすすめします。
また、賃貸契約書を代用することもできますが、その場合は契約者名、契約車庫の住所、契約期間が記載されていることを確認してください。
本拠の位置が確認できる書類
車庫証明の申請には、使用者の住所がわかる書類を提出する必要があります。
以下のいずれかを用意してください。
・住民票
・公共料金の領収書
・消印がある郵便物
車庫証明取得に必要な費用
車庫証明の取得には、以下が必要です。
申請手数料:2,100円(申請時に支払い)
標章交付手数料:500円(受取時に支払い)
車庫証明取得の流れ
車庫証明は次の流れで申請を行います。
必要書類を用意する
まずは申請に必要な書類を用意します。
詳しい必要書類については、「車庫証明取得に必要な書類」をご確認ください。
賃貸など、他の人の土地を保管場所として申請する場合には、書類が揃うまで時間がかかることがありますので、早めに準備しておくことをおすすめします。
車庫の住所を管轄する警察署の交通課を訪れる
車庫証明の提出は、車庫の住所を管轄する警察署の交通課で行います。
受付時間は、平日の9時頃〜17時頃までです。
警察署によって受付時間に多少の差があり、ギリギリになってしまうと、当日受け付けてもらえないことがありますので、時間に余裕を持って訪れるようにしましょう。
印紙を購入する
申請場所を訪れたら、申請に必要な印紙を購入し、申請書に貼り付けます。
申し込みには2,100円、標章の受け取りには500円が必要です。
万が一、記入に不備があった時のことを考え、書類を確認してもらってから印紙を貼り付けた方がいいでしょう。
窓口に書類を提出し納入通知書兼領収書を受け取る
書類を揃え、印紙を購入したら、交通課の窓口に書類一式を提出してください。
書類の確認が終わると、納入通知書兼領収書が発行されます。
この書類は車庫証明の受け取りに必要となりますので、大切に保管してください。
書類を受け取る
申請を提出してから車庫証明が出来上がるまでには1日〜1週間程度かかります。
申請は早めに行うようにしましょう。
書類が発行されたら再び警察署を訪れ以下3点を受け取ります。
受取りができる日は、納入通知書兼領収書に記載されていますので、確認してください。
・車庫証明書
・保管場所標章番号通知書
・保管場所標章(ステッカー)
受け取りには、500円の印紙と、納入通知書兼領収書が必要です。
受け取った車庫証明書は、車両の登録で必要となります。
手続きを代行してもらう場合は業者に渡してください。
自分で手続きを行う場合は、登録に必要な他の書類と一緒に、運輸支局に持ち込みます。
保管場所標章番号通知書は、手元で保管します。
無くさないように車検証と一緒に保管するといいでしょう。
保管場所商標は、車に貼り付けることが義務付けられています。
後方から見えるように、リアガラスに貼り付けてください。
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多くの場合販売店が代行してくれる車庫証明の取得を自分で行おうとしている人の中には、個人売買やオークションで車の購入を検討しているという人もいるでしょう。
そんな方にはユーカーネクストがおすすめです。
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個人売買やオークションで車の購入を検討している方はぜひ参考にしてください。
まとめ
車庫証明は、車を保管する場所を確保していることを証明するもので、車を所有するためには必ず必要な書類です。
取得には、駐車スペースを確保する必要があり、提出が必要な書類も人によって異なります。
また、車の保管場所として認められる基準が細かく定められているため、駐車予定の場所が該当するかどうかをあらかじめ確認しておきましょう。
地域によっては申請から発行まで1週間程度かかることもあります。
車庫証明がなければ、車両の登録手続きが行えないため、余裕を持って早めに申請を行うようにしてください。
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